「一人休んだら病棟は一貫の終わり」でも、誰も休む人を責めない理由

┃ 「一人休んだら病棟は一貫の終わり」でも、誰も休む人を責めない理由
看護師は、どこの病院も人手不足です。
それも「ちょっと足りない」ではなく、超がつくレベルの人手不足です。
いつもギリギリの人数で回しているので、たった一人が休んだだけで、病棟は一貫の終わりになります。
妊婦さんが休んでも大丈夫なように、
— ふるたによしひさ@看護師 (@yoshihisanurse) August 23, 2026
お子さんが体調不良でお母さんが休んでも大丈夫なように、
本人が体調不良で休んでも大丈夫なように、
余裕をもった看護師数を雇ってほしいものです。
一人休まれたら、病棟は一貫の終わりだから。
夜勤の体制が組めない、日勤のリーダーが不在になる、急変対応の人手が足りない——現場は一気に苦しくなります。
┃ 看護師不足はどれくらい深刻か——厚労省の推計で見る現実
「人手不足」という言葉は、現場の感覚だけで言っているわけではありません。
厚生労働省の「看護職員需給分科会」による推計では、2025年時点で看護職員が最大27万人不足する可能性があるとされています。
ワークライフバランスを重視した働き方を前提にすると、必要な看護職員数は188万〜202万人程度になる一方、実際に確保できる供給数は175万〜182万人程度にとどまる見込みだからです。
| 必要な看護職員数(需要) | 最大202万人 | |||
| 確保できる見込み(供給) | 175万人 |
2025年時点の看護職員 需給推計。需要202万人に対し供給は175万人にとどまり、最大27万人の不足が見込まれる(出典:厚生労働省「看護職員需給分科会」中間とりまとめ)
つまり、制度の設計段階から、すでに「ギリギリ、もしくは足りない」ことが分かっている状態なのです。
さらに日本看護協会が2026年3月に公表した「2025年病院看護実態調査」によると、正規雇用看護職員の離職率は11.0%、新卒採用者でも8.4%にのぼります。
入っても辞める人がいる、そもそも必要な人数が確保できていない——この二重の構造が、病棟の余裕のなさを生んでいます。
┃ なぜ「休みます」の電話に、誰も責めずに「お大事にね」と言えるのか
これだけ人手不足の病棟でも、休む看護師本人は、誰よりもよく分かっています。
「自分が休むと、現場が困る」ということを。
それでも、お子さんが熱を出して保育園で預かってもらえない日もあります。
妊娠中で、その日だけ体調がすぐれない日もあります。
本人自身が、体調不良で動けない日もあります。
こればかりは、どうしようもないことです。
だからこそ現場の看護師たちは、休んだ本人を責めませんし、うらむこともありません。
病棟に「休みます」の電話が入ったときも、愚痴や嫌味は一切なく、「そう、お大事にね」というやさしい言葉が返ってきます。
お互いに、いつ自分が同じ立場になるか分からないと分かっているからです。
人手不足という厳しい状況の中でも、看護師たちは大人としてぎくしゃくしないように、お互い様の関係性を保ちながら、ふんばって現場を支えています。
┃ 国と病院に求められること——余裕をもった人員配置のために
とはいえ、現場の「お互い様」の気遣いだけで、この人手不足を乗り切り続けるのには限界があります。
本来であれば、妊婦さんが休んでも、子どもの体調不良で保護者が休んでも、本人が体調不良で休んでも大丈夫なように、余裕をもった看護師数を配置しておくべきです。
そのためには、まず国が、看護職員の配置基準や診療報酬の仕組みを見直し、病院が余裕をもって看護師を雇える環境を整える必要があります。
看護師の給料や労働条件は、病院の努力だけでなく、国の制度によって大きく左右されるからです。
同時に、病院側にも努力が求められます。
夜勤負担の軽減、有給休暇を取りやすい体制づくり、急な欠員に対応できる応援体制の整備など、看護師が「辞めなくてもいい」と思える職場づくりに、病院自身が本気で取り組む必要があります。
離職率11.0%という数字は、裏を返せば、9割近くの看護師は今の職場に留まっているということでもあります。
くぅー、ボクも含めて現場の看護師さんたち、ほんと踏ん張っているなぁ〜。
この土台を守り、さらに厚くしていくために、国と病院、双方の努力が欠かせません。
┃ おわりに
一人が休んだだけで一貫の終わりになる病棟の現実。
それでも誰も責めずに「お大事にね」と言い合える、看護師たちのお互い様の関係性。
この優しさに甘えて現状維持を続けるのではなく、余裕をもった看護師数を確保できる制度と職場づくりを、国と病院がともに進めていくべきだと、ボクは考えています。
【参考文献】
・厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 中間とりまとめ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07927.html
・日本看護協会「2025年病院看護実態調査」結果(2026年3月31日公表)
https://www.nurse.or.jp/home/assets/20260331_nl01.pdf

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この記事へのコメント
厚生労働省が看護師の皆さんの労働環境を改善する取り組み(賃金体系の改善を含む)を行なうことを強く願っています。
介護の必要数は増えていきますね。
看護師数を確保 ほんと気になります。
nice!です☆
看護師さん不足は深刻なんですね。
人命に関わるお仕事ですから、一定以上のスキルは不可欠でしょう。
簡単に看護師さんの絶対数を増やすアイデアが思い付きません。
やはり、国が大鉈を振るわないとダメなんでしょうね。
病気の流行を防げば、問題が軽減するのに、それを怠っている
ような所が有ると、私は思う。人間の脳は、何が見えているのか
認知するという所に大半が使われており、年齢が大きくなってから、
「何が見えていても良いや」と思うようになったら、決死の覚悟
で、その「根性の根っこ」を叩くのが、認知症のプライマリーケア
の大黒柱だと、ここでも正しく指摘しておいて。国民認知症発症率
そのものが幾らかでも少なくなるようして置く事に、では致します。
過酷な労働条件で親身になってお仕事をされていて感謝しかないです
個人の町医院で3年務めたこと思い出します。
まだ資格なくても務められる時代、2人が交代で
1ヶ月看護師・1ヵ月女中食事は付きますが月給3000円(1日100円)
3年過ぎて逃げました、以後その道には足を踏み入れません。
(生活には知識を利用し健康に90歳を超えて尚自立の暮らしが)