看護師の給料は本当に高いのか?「割に合わない」7割の声とその先にあるもの

┃ 看護師の給料は本当に高いのか?「割に合わない」7割の声とその先にあるもの
「看護師は給料が高い」——そう言われることがあります。
一方で、看護師自身に聞くと、多くの人が「割に合わない」と感じているのも事実です。
先日、マイナビが「看護師白書2026年版」を発表し、「今の給料じゃ割に合わない」と感じている看護師が約7割にのぼることが明らかになりました。
ボクは医療機器販売会社の営業マンから、37歳で看護師に転職した人間です。
一般企業の営業も経験したうえで言いますが、看護師は本当に割に合わない仕事だと感じています。
ただし、ボクはそれを知らずに看護師になったわけではありません。
知ったうえで、この道を選びました。
だからこそ今、看護師をはじめとするコメディカルの待遇改善のために、行動を起こしています。
【「今の給料じゃ割に合わない」看護師の約7割】
— ふるたによしひさ@看護師 (@yoshihisanurse) August 20, 2026
一般会社営業マンから看護師になった私から言いますと、本当に割に合わない仕事です。ですが看護師になる前からこれは知っていました。知ってて看護師になりました。なので、看護師などコメディカルの待遇改善に動いていますhttps://t.co/udshDXwaFk
┃ データで見る「割に合わない」7割の実態
まず、今回のマイナビ「看護師白書2026年版」の調査結果を見てみます。
この調査は2026年2月19日から3月16日にかけて、マイナビ看護師の登録会員406名を対象に実施されました。
「現在の給与は、組織に対する自分の仕事の貢献に見合っているか」という問いに対し、66.8%が「そう思わない」と回答しています。
年代別に見ると、20代が70.0%と最も高く、キャリアの入り口に立つ若い世代ほど、給与への不満が大きいことがわかります。
| 全体 | 66.8% | |||
| 20代 | 70.0% |
「今の給与は仕事の貢献に見合っていない」と回答した割合(出典:マイナビ「看護師白書2026年版」)
さらに「経済的なゆとりがない」と答えた人は67.0%にのぼり、「時間的なゆとりがない」(52.0%)や「精神・心理面のゆとりがない」(57.6%)と比べても、経済面での余裕のなさが際立っています。
| 経済的なゆとりがない | 67.0% | |||
| 時間的なゆとりがない | 52.0% | |||
| 精神・心理面のゆとりがない | 57.6% |
「ゆとりがない」と感じる項目別の割合(出典:マイナビ「看護師白書2026年版」)
そして、給与が仕事に見合っていないと感じている人に「適正な給与水準」を聞いたところ、「今より30%以上多い金額」と答えた人が36.5%で最多となりました。
20%以上、10%以上の増額を求める声を合わせると、8割以上の看護師が、現在より一定以上の増額を適正だと考えていることになります。
ま、ボクは3割増が適正とは思ってなくて、2倍が妥当だと思ってますけどねー。
┃ 看護師の給料は本当に「高い」のか——公的データで比較する
では、実際の統計データではどうなっているのでしょうか。
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、看護師(企業規模10人以上の事業所に勤める正社員・フルタイム契約社員)の平均年収は524万7,200円です。
内訳を見ると、女性看護師が521万1,200円、男性看護師が552万円となっています。
一方、国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」による給与所得者全体の平均給与は478万円で、男性が587万円、女性が333万円です。
単純に数字だけを並べると、看護師の平均年収は全体平均より約47万円高く、女性同士で比べると、看護師は一般女性の平均より約188万円も高いことになります。
この数字だけを切り取れば、「看護師は高給だ」という主張にも一理あるように見えます。
ですが、ここには注意が必要です。
国税庁の調査は、パートやアルバイトを含むすべての給与所得者を対象にしており、フルタイムの専門職である看護師とは、雇用形態も労働条件も前提が異なります。
そして何より、看護師の年収には、深夜勤務や交代制勤務にともなう夜勤手当が大きく上乗せされています。
生活リズムを崩しながら深夜に働き、常に人の命に関わる緊張感の中で判断を求められる仕事の対価として、この金額が「高すぎる」と言えるでしょうか。
ボクは営業職も看護師も経験したからこそ言えますが、体力的にも精神的にも、看護師の労働負荷は一般的な仕事とは比べものにならないほど大きいです。
額面の年収だけを見て「看護師は恵まれている」と判断するのは、現場の実態を見ていない議論だと感じます。
┃ 看護師の給料は政治で決まる——だからボクは看護連盟に加入しました
看護師の給料がなぜ上がりにくいのか、その理由は制度そのものにあります。
病院の収入の大部分は、国が定める「診療報酬」によって決まっています。
診療報酬が上がらなければ、病院の収益は増えず、人件費に回せる原資も増えません。
つまり、ボクたち看護師の給料は、現場の努力だけではどうにもならない部分が大きく、国の政策によって直接左右されるのです。
この構造を変えるには、現場で声を上げるだけでは不十分で、政治の場に働きかける必要があります。
そのためボクは、職能団体である日本看護協会だけでなく、政治団体である日本看護連盟にも加入しています。
そして現在は、京都看護連盟の青年部役員として、政治家に対して看護師をはじめとするコメディカルの待遇改善を直接訴える活動を行っています。
ボクは知っていたんですよ。
看護師の給料は低いし、長年勤めても増えないってことを。
看護師のことをずいぶん調べてから看護師になりましたからね。
一人の看護師としてSNSで発信するだけでなく、制度を動かす場に自ら足を運ぶこと。
それが、この仕事を選んだ人間としての責任だと考えています。
┃ おわりに
「今の給料じゃ割に合わない」——この7割の声は、単なる愚痴ではありません。
過酷な労働環境の中で、専門職としての誇りを持って働く看護師たちの、切実な実感です。
そして、その実感を変えていくためには、データを正しく理解し、制度の根本である診療報酬や政治の仕組みに向き合う必要があります。
ボクはこれからも、看護師として現場に立ちながら、政治連盟の活動を通じて、待遇改善のために声をあげ続けます。
【参考文献】
・マイナビ「看護師白書2026年版」(2026年)
https://medical-saponet.mynavi.jp/news/data_nurse_kangoshi-hakusyo/detail_wp2026/
・厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/sokuhou.html
・国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2024.htm

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この記事へのコメント
nice!です☆
看護師さんは資格をお持ちなわけですから、その分は上乗せされるべきです。
看護師さん以外の方で、今の報酬は適正と考えている人は、
どれくらいの割合でいらっしゃるのでしょう。
看護師さんの労働環境の詳細を知っているわけではないので、
これ以上のコメントはできませんが、待遇改善を求めるのは、
労働者全員の権利です。
どうして、ここまで夜間看護して、やらなければならないのか、と奥底
で思われないように、自分自身、がんはらねばと思いました。厚生労働。
認知症人間の要夜間看護など、素人でも当然存在すると、見え見えで
判るのに。それを加味した看護師業界の「補正年収」すら試算して見せ
ないのは、「≪子供だましレベル≫の国家機構が現状」って感じですねえ。